舘野泉

ASHIYA LUNA HALL

舘野泉 PREMIUM PIANO RECITAL in ASHIYA

Date of Release

2024.9.26 Thu.

国内外で多様なアート活動を展開するRENAISSANCE CLASSICS では、20254月、芦屋川の満開の桜と共に巨匠・舘野泉のピアノ・リサイタルを開催します。舞台となる阪神間の文化拠点・ルネサンスクラシックス芦屋ルナ・ホール、ヘルシンキを拠点に、世界各国で半世紀を越える演奏活動を続ける舘野泉ならではの領域・分野に捉われない多彩な演奏芸術が繰り広げられます。左手の演奏活動においては初となる芦屋公演では、人種、歴史、宗教、芸術の領域を超越した果敢なプログラムが実現。音楽ファン注目のもと、夙川カトリック教会(西宮)で洗礼をうけた世界的文学者・遠藤周作へのオマージュを込めた『海と沈黙』(光永浩一郎作曲)、エストニアの作曲家シサスクの『エイヴェレの惑星たち』、吉松隆作曲『水のパヴァーヌ』、そして、フィンランドの作曲家ノルドグレンの『振袖火事』(小泉八雲の『怪談』によるバラードⅡより)他を演奏。2025年には89歳を迎えるレジェンドによる意欲的な作品群が新しい芸術の可能性を導きます。同時に、身体を超える境地に至った「真の巨匠」の揺るぎない信念による演奏の姿は、多様な価値観を共有する現代社会の未来を示します。そして、舘野泉が奏でる「海」「星」「水」をテーマとした自然の真理を謳う作品の響きは、新しい季節を彩る祝祭の桜と鮮やかに重なります。

 

 芦屋で演奏させて頂くのは21世紀に入って初めて。88歳を過ぎた今、またルナホールで演奏させて頂くことになってとても嬉しい。

 昨年はフランス、ドイツ、フィンランド、インド、ブータン、ネパールなどでもコンサートをすることが出来た。世界を広く廻って「海と沈黙」とか星や水を語った音楽が

 益々興味深くなった。フィンランドのノルドグレンが作曲した「振袖火事」は叶わぬ恋に陥った女の怨念を、光永浩一郎の「サムライ」は士としての矜持を描いて胸に迫る。

 桜の季節、皆様に様々な音楽の姿を味わって頂きたい。

                                                                       舘野 泉

 

 

 

[チケット]

▶一般販売: 10月19日(土)10:00~

ぴあ https://w.pia.jp/t/tatenoizumi2025-ashiya/

ローチケ https://l-tike.com/izumi-tateno/

イープラス https://eplus.jp/premiumpianorecital/

 

 

SCHEDULE

◇開催日時:2025年4月12日(土)14時開演
[開場:13時30分 開演:14時 終演:16時(予定)※休憩15分]

◇開催会場:ルネサンス・クラシックス 芦屋ルナ・ホール

TICKET

一般販売
10月19日(土)10時〜
一般:5,500円、ペアチケット:10,000円(2名様)

ムジカキアラチケット専用フリーダイヤル:0120-685-061(平日10:00~18:00)

ABOUT

◇曲目:

     光永浩一郎:海と沈黙(遠藤周作に捧ぐ)

        シサスク:「エイヴェレの惑星たち」より第2曲

        吉松 隆:水のパヴァーヌ(組曲「タピオラ幻景」より) 

        ノルドグレン:振袖火事(小泉八雲の『怪談』によるバラードⅡ Op.127より)

        光永浩一郎:サムライ

          ・・・・休憩・・・・

        ティエンスー:復活

        吉松 隆:3つの聖歌                シューベルト:アヴェ・マリア

                         カッチーニ:アヴェ・マリア

                         シベリウス:フィンランディア

※曲目・曲順は変更となる場合がございます。

 

演奏作品について(舘野泉氏エッセイより抜粋):

「海と沈黙」は熊本の作曲家・光永浩一郎の作品。島原の隠れキリシタンのこととか、遠藤周作の小説「沈黙」が背景にあるが、水俣病や石牟礼道子の小説「苦海浄土」を元に生まれたピアノ・ソナタ「苦海浄土」の最終楽章でもある。このソナタは25分ほどかかる大曲であるが、私は単独で「海と沈黙」だけを弾くことが多い。音が鳴っている時より沈黙の方がより多くのものを問いかけてくる作品だと思う。何度も繰り返されるメロディは聴きようによっては童謡のように無垢で飾りも何もないが、それが天から与えられた慰めのように胸を打つのだろう。

 吉松隆は左手のために実に多くの優れた作品を残してくれた。「タピオラ幻景」と「アイノラ抒情曲集」は2005年頃に踵を接して生まれたピアノ組曲で、前者は原初からのフィンランドの森や湖、そして太古からの光や風や鳥などの美しさを歌った曲集といえるかもしれない。因みにフィンランド語で「タピオ」は森の神、それに「ラ」が付くと森の神が住むところの意になる。シベリウスには創作晩年に「タピオラ」という交響詩があるが、そこにも原初からの森の声が響いているようだ。

 

「エイヴェレの惑星たち」についての曲目解説:

 エストニアの首都タリンからおよそ80キロ南方に位置し、遥か中世の時の面影を静かに残す村エイヴェレ。その地の象徴として優美に佇むとある荘園に縁(えにし)を分かち合うシサスクと舘野泉の友情のもと、全6曲から成る。左手のためのピアノ組曲「エイヴェレの惑星たち」が生まれた。各曲はそれぞれ、エイヴェレの澄み渡った夜空の世界に繰り広げられる神秘的な光景に霊感を得て作曲されている。プログラムにおいて演奏される「第2曲」はシサスクの初期の創作に密接な関わりを持つ。1987年にシサスク自らが太陽系に属する惑星の軌道構造から数学的に導き出した「プラネット・スケール(惑星の音階)」に基づく。

 ウルマス・シサスクは、エストニアの作曲家。 シサスクは、天体観測を趣味とした祖母の導きで、幼い時から星の世界に魅入られていた。彼のピアノ曲は全て天空に関係したもので、「銀河巡礼―北天」に続く「南天」、ソナタ「天の川」、ソナタ「アンドロメダ」、「黄道十二宮」などがある。太陽系の惑星の軌道計算に基づいた、#ド・レ・#ファ・#ソ・ラという音階を編み出したが、偶然にもこれは日本の音階と同じものになっており、神秘的かつ古風な作風をもたらしている。

 

DETAIL

◇主催&企画制作:RENAISSANCE CLASSICS

◇後援:神戸新聞社、ラジオ関西

PROFILE

舘野泉(ピアニスト)

クラシック界のレジェンド。東京生まれ。1960年東京藝術大学を首席卒業。1964年よりヘルシンキ在住。1981年以降、フィンランド政府の終身芸術家給与を受けて演奏生活に専念する。領域に捉われず、分野にこだわらず、常に新鮮な視点で演奏芸術の可能性を広げ、不動の地位を築いた。これまで北米、南米、オーストラリア、ロシア、ドイツ、フランス、北欧諸国を含むヨーロッパ全域、中国、韓国、フィリピン、インドネシアなどアジア全域、中東でも演奏会を行う。これまでにリリースされたLP/CDは130枚におよぶ。 ピュアで透明な旋律を紡ぎだす、この孤高の鍵盤詩人は、2002年に脳溢血で倒れ右半身不随となるも、しなやかにその運命を受けとめ、「左手のピアニスト」として活動を再開。尽きることのない情熱を、一層音楽の探求に傾けて、独自のジャンルを切り開いた。“舘野泉の左手”のために捧げられた作品は、10ヶ国の作曲家により、130曲をこえる。2012年以降は海外公演も再開し、パリやウィーン、ベルリンにおいても委嘱作品を含むプログラムでリサイタルを行い、満場の喝采で讃えられた。2020年演奏生活60周年、2023年から米寿記念演奏会を全国に展開している。もはや「左手」のことわりなど必要ない、身体を超える境地に至った「真の巨匠」の風格は、揺るぎない信念とひたむきな姿がもたらす、最大の魅力である。