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横尾忠則×草刈民代の世界 ―アートとダンスの競演― in between

Date of Release

2020.11.29 Sun.

横尾忠則✖︎草刈民代
アートとダンスの競演 
in between

美術:横尾忠則 ダンス:草刈民代、森優貴
振付:森優貴
音楽:フィリップ・グラス
ピアノ:滑川真希
衣裳:串野真也
監督:周防正行

 

コロナ禍により、多くの舞台芸術家は表現の場を大きく制限され、美術館においても多くの人が集まるイベントの開催は難しい状況にある。そうした最中、横尾忠則現代美術館(兵庫県神戸市)では、今しかできない映像の制作・配信企画を試みる。2020年11月、世界的美術家・横尾忠則の作品と元バレリーナ・女優・草刈民代のコラボレーションが実現。草刈が本格的に踊りに取り組むのは11年ぶり。会場は横尾忠則現代美術館展示室。映像作品は世界にむけてYouTube配信する。今回の映像作品は、7年にわたりレーゲンスブルク劇場ダンスカンパニーの芸術監督を務めてきた世界的振付家・森優貴に振付を委託。草刈と森の共演が実現した。そして音楽は、現代音楽の巨匠フィリップ・グラス。グラスが最も信頼する滑川真希のピアノ演奏がアートとダンスの競演を導く。また、衣裳はレディ・ガガをはじめ多彩なアーティストに作品提供している串野真也。映像監修は、日本を代表する映画監督・周防正行が担う。横尾忠則のもと国内外で活躍する現代を代表する芸術家が結集。コロナ禍の新しい価値観の中、横尾忠則の世界と草刈民代をはじめとするアーティストたちの大きな意思が重なり、新たな映像作品が誕生する。横尾忠則現代美術館における芸術の出会い。そして、その躍動の軌跡を示す映像は、コロナ禍の今、芸術の無限大の力を信じる世界の人々に届けられるに違いない。

ABOUT

◆主 催: 横尾忠則現代美術館(公益財団法人 兵庫県芸術文化協会)
◆協 力 : Philip Glass & Drew Smith, Richard Guerin
     Pacific Concert Management、滑川真希
◆収録日: 2020年11月30日(月)
◆会 場: 横尾忠則現代美術館 「横尾忠則の緊急事態宣言」展示室

◆作 品: in between
◆出 演: 草刈民代、森優貴
◆振 付: 森優貴
◆監 督: 周防正行
◆衣 裳: 串野真也・
◆音 楽: フィリップ・グラス「ピアノ・エチュード第6番」
◆ピアノ: 滑川真希
◆収 録:テーク・ワン
◆エグゼクティブプロデューサー:恩田健志(Renaissance Classic/DAF)

DETAIL

草刈民代さん11年ぶりにダンス 横尾忠則作品と“競演”周防監督が撮影
(2020年12月1日神戸新聞朝刊記事)

横尾忠則現代美術館

横尾忠則×草刈民代の世界
ーアートとダンスの競演ー
in between

http://www.ytmoca.jp/event/2020/12/post-135.html

PROFILE

横尾 忠則

美術家。一九三六年、兵庫県生れ。七二年にニューヨーク近代美術館で個展。その後も国内外で展覧会開催。二〇一二年神戸に横尾忠則現代美術館、一三年に香川県に豊島横尾館開館。〇一年紫綬褒章、一一年旭日小綬章、朝日章、一五年高松宮殿下記念世界文化賞ほか美術賞、文化賞受賞多数。著者に『ぶるうらんど』(泉鏡花文学賞)、『言葉を離れる』(講談社エッセ亻章)、『横尾忠則 千夜一夜日記』『死なないつもり』ほか多数

草刈 民代

東京都生まれ。73年小林紀子バレエバレエアカデミーにてバレエを始め、78年橘バレエ学校入学。81年から牧阿佐美バレヱ団に参加。84年橘バレエ学校を卒業し、牧阿佐美バレエ団正団員となる。同年「恋の絲」(牧阿佐美振付)の主役に抜擢される。87年「白鳥の湖」オデット・オディールの初役を務め、以降バレエ団の主要バレリーナとして活躍。同年全国舞踊コンクール第一部第一位、文部大臣奨励賞を受賞。88年村松賞、89年橘秋子賞受賞。91年、スタニスラフスキー&ネミロビッチ・ダンチェンコ劇場(モスクワ)による招聘を機に世界各地でゲストバレリーナとして客演。以降、牧阿佐美バレエ団の公演の他、レニングラード・バレエシアター、モスクワ音楽劇場、レニングラード国立バレエ、新国立劇場バレエなどにゲスト出演。特にレニングラード国立バレエには97年から09年までの12年間、ゲストアーティストとして日本国内ツアーや本拠地(サンクトペテルブルク・ロシア)での公演など、多くの公演を共にする。81年頃から広告、TVCMなどにも起用されるようになり注目を浴びていたが、96年には映画「Shall we ダンス?」(周防正行監督)に主演。社会的現象になるほど話題の作品となり、女優として数々の賞も受賞した。97年服部智恵子賞受賞。99年故ローラン・プティ氏により「若者と死」の死神役に選ばれ、プティ氏から厚い信頼を受ける。これ以降プティ作品は草刈の最も得意なレパートリーとなり、その数は11作品に及ぶ。05年愛知県で行われた万国博覧会で公演をプロデュース、主演。野外公演にて約2万5千人を動員する。06年『ソワレSoiree de Danse Roland Petit』をプロデュース、パリ、上海、香港、台湾の他日本国内8都市で公演。同年韓国国立バレエ団の招聘によりソウル・アートセンターにてマッツ・エック版「カルメン」に主演。09年4月「Esprit〜ローラン・プティの世界」をプロデュース。国内11都市、14公演を行いバレリーナとしての幕を閉じる。師事した教師は牧阿佐美、北原秀晃、オリガ・エブレイノフ、ティナ・ベルナール、アナトリー・シードロ、ルイジ・ボニーノ、ジャン=フィリップ・アルノー、アラ・オシペンコ。その他、故ローラン・プティ、ジジ・ジャンンメール、マイヤ・プリセツカヤからも大きな影響を受けている。草刈の活動は日本のバレエを一般に広めることに大きく貢献し、日本人バレリーナの新たな可能性を示した。09年9月には演劇作品『宮城野』(鈴木勝秀演出)に主演。その舞台を機に女優として活動開始。10年に放映されたNHKの大河ドラマ『龍馬伝』にてテレビドラマ初出演。同年、写真集「BALLERINE」を企画出版。11年、主演バレエ映画「ダンシング・チャップリン」(周防正行監督)が公開される。12年、映画「終の信託」(周防正行監督)に主演し、第36回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。同年NHKドラマ「眠れる森の熟女」にも主演。写真集「INTRINSIC」企画出版。今後も様々な分野での活動が期待される。
 
 Photo by Satoshi Kuronuma(aosora)
 

森 優貴

演出家・振付家・ダンサー。
​兵庫県出身。貞松・浜田バレエ団を経て97年にハンブルク・バレエ・スクールへ留学。
98年から2001年までニュルンベルグバレエ 団、2001から2012年までシュテファン・トス率いる トス・タンツカンパニーに在籍。芸術監督であったシュテファン・トスの数多くの新作品で主役を務める他、イリ・キリアン、ウィリアム・フォーサイス、マッツ・エック当数多くの著名振付家作品を踊る。2012年9月よりレーゲンスブルク歌劇場 Theater Regensburg Tanz(レーゲンスブルク劇場ダンスカンパニー)の芸術監督に就任。
日本人で初めての欧州での芸術監督就任となる。就任後、次々に新作を発表。ストラヴィンスキー「春の祭典」、ラヴェル「ボレロ」、 「ベルナルドアルバの家」などの大作を発表するとともに、 ダンスサスペンス「The House」、新改訂版「ドン・キホーテ」などの完全オリジナル作品や、ダンスオペラ「恐るべき子供たち」などダンスのみならずジャンル を超えた演出振付作品を手がけ、就任後ドイツ舞台芸術総合誌「DIE DEUTSCHE BÜHNE」の表紙カバーを飾るなどドイツ国内外の芸術機関、芸術メディアから「緻密で繊細な演出と構成力を強みとし音楽性豊かにダンス作品を生み出す、日本人振付家が率いる今最も注目するべきダンスカンパニー」と評価される。

2005年ハノーファーで開催された第19回国際振付コンクールにて 「Missing Link 」を発表し観客賞と批評家賞を同時受賞。
2007年平成19年度文化庁芸術祭新人賞受賞。
2008年「週刊オン★ステージ新聞」新人ベスト1振付家に選ばれる。
2011年「WINTERREISE-冬の旅」再演により平成23年度文化庁芸術祭大賞受賞。
2012年12月、平成24年度兵庫県芸術奨励賞受賞。
​2016年6月にはハノーファー国際振付コンクール30周年記念審査員。
​同年11月にはドイツ舞台芸術協会が舞台芸術作品から最も優れたアーティストを 選出し賞を贈呈している 芸術アカデミー賞
「der Faust」の振付家/振付作品の部門でダンスサスペンス「The House」が最優秀賞にノミネートされる。
​2017年4月、NHKバレエの饗宴で新作「死の島― Die Toteninsel」を発表。
同年8月に神戸と東京で「Macbeth マクベス」全2幕を演出・振付し自らもマクベス役で出演。
​同年9月に、平成 29年度神戸市文化奨励賞を受賞。
2018年3月マンハイム国立劇場からの招聘で新作「カルメン」全2幕を演出振付。
2018年秋にレーゲンスブルク歌劇場 Theater Regensburg Tanz(レーゲンスブルク劇場ダンスカンパニー)の芸術監督退任を発表.
「振付家森優貴の集大成」と高い評価を得た新作「死と乙女」、そしてラクロ原作「危険な関係」全2幕を発表する。
​2019年7月にはスイス、ザングト・ガレン芸術祭から招かれ新作「Desiderium」を発表、世界遺産であるザングト・ガレン修道院にて上演。
​2019年8月を持ってレーゲンスブルク歌劇場ダンスカンパニー芸術監督を退任。​
2019年秋からは本格的に日本を拠点とし、演出振付、後進の育成を主にを活動を開始。

フィリップ・グラス

一定の音型を反復する「ミニマル・ミュージック」の旗手として知られる現代音楽の巨匠。オペラやダンス、映画と活動の幅は広く、自身が「劇場音楽」と呼ぶ曲は、クラシックのみならずロックやポップスにも多大な影響を与えている。幼少時からヴァイオリンとフルートを習い、名門ジュリアード音楽院へ。1965年にインドでシタール奏者のラヴィ・シャンカールと出会い、リズム構造を重視する旋律に決定的な影響を受けた。1967年にはニューヨークに戻り、楽団を結成。1976年のオペラ『浜辺のアインシュタイン』はフランスで絶賛され、映画音楽でも『トゥルーマン・ショー』がゴールデン・グローブ賞最優秀音楽賞に。2005年には愛知万博で代表作『カッツィ3部作』(1982-2002)の映画コンサートを行った。アレン・ギンズバーグやウディ・アレンら他分野の芸術家とのコラボレーションにも積極的。75歳の今も太極拳やヨガの日課を欠かさず、貪欲に音楽の可能性を追求している。(「高松宮殿下記念世界文化賞」より)

滑川 真希

時代を先導するピアニスト滑川真希は、世界的に著名な現代の作曲家達の数々の楽曲演奏に於いて常に聴衆の関心を集めている。
ソリスト、室内楽奏者としてクラシックから現代曲に至るまで幅広いレパートリーを持ち、カーネギーホール、ニューヨーク・リンカーンセンター、ロンドン・バービカンセンター、パリ・シテ・デ・ラ・ムジーク、ウィーン楽友協会、アムステルダム・コンセルトヘボウ、ブリュッセル・ボザール、サントリーホール、東京すみだトリフォニーホールの各ホールをはじめ、ザルツブルク音楽祭、ピアノフェスティバル・ルール、ベルリン・ムジークビエンナーレ等主催のコンサートに出演している。
その他ドイツ、オーストリア、オランダ、スイス、フランス、イギリス、チェコ各国のテレビ・ラジオ放送出演、またアムステルダム・コンセルトヘボウオーケストラ、ミュンヘン管弦楽団、バンベルク管弦楽団、ドレスデン管弦楽団、シンフォニーオーケストラ・バーゼル、ブルックナーオーケストラ・リンツ、アメリカンコンポーザーズオーケストラ並びにシアトルシンフォニー等とソリストとして共演している。
2013年には作曲家フィリップ・グラスと共にオーストラリア・パース国際芸術祭にて彼のピアノエチュード全20曲を初演、その後もグラスと共にツアーに参加、アメリカ、メキシコ、ブラジル、アイルランド、アイスランド、スコットランド、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、スロヴァキア、ポーランド、ドイツ、イタリア、フランスそして日本等各国にて演奏している。
2014年にはフィリップ・グラスのレコード会社、オレンジマウンテンミュージック社より彼女の演奏による世界初版のフィリップ・グラス ピアノエチュード全20曲のCDが発売され、iTunesクラシック部門で1位にランキングし、イギリス音楽誌BBCマガジンよりパフォーマンスとレコーディング両部門で最高得点を授与された。
2017年のアルスエレクトロニカフェスティバルでは、フィリップ・グラス全20曲のエチュードをリアルタイムビジュアリゼーションのアーティスト コリ・オランとのコラボレーションにてオーストリア初演。そのプロジェクトは「ピアノグラフィック」と称し数々のメディアより好評を得る。
2018年には、フィリップ・グラスのサウンドトラック「ミシマ」をリリース。ピアノソロ版のアレンジをグラスの長年のミュージックディレクターを務めるマイケル・リースマンが彼女のために編曲しレコーディングプロデューサーも務めた。このレコーディングは同年のレコーディング、作曲家 尹伊桑のピアノソロ曲が彼女の演奏によって収録されている「サンライズ フォーリング」と共に2018年におけるオーストリア国営放送ORFが選ぶベストアルバム パスティッチョ賞を受賞した。
2019年7月 フィリップ・グラスが滑川真希のために作曲した彼の最初のピアノソナタがドイツのピアノフェスティバル・ルールにて作曲家同席のもと世界初演された。
のちにフランクフルト新聞並びにニューヨークタイムズにて、その演奏を高く評価される。
彼女の夫、指揮者・ピアニストであるデニス・ラッセル・デイヴィスと共にピアノデュオとしても活動。フィリップ・グラスの「2台ピアノのための4楽章」また ラベック姉妹との共演による「4台ピアノのための2楽章」、久石譲の「ヴァリエーション57」また フィリップ・グラス作曲/久石譲編曲 「恐るべき子供たち」等 数々の世界初演をこなしている。
2017年にはフィリップ・グラスと共にピアノフェスティバル・ルールより、その演奏活動に名誉賞を贈呈された。
国立音楽大学附属中学・高等学校並びに同音楽大学卒業、同大学院を首席にて終了。日本レオニード・クロイツァー賞受賞。ドイツ国立カールスルーエ音楽大学にて国家演奏家資格を最高点にて取得、更にケルン音楽大学にて研鑽を積んだ。
溝口みどり、武井恵美子、小畠康史、池澤幹男、韓伽倻、ヴェルナー・ゲヌイット並びにピエール・ロラン・エマールの各氏に師事。

串野 真也

広島県尾道市因島出身。京都芸術デザイン専門学校を卒業後、イタリアに留学。”Istituto MARANGONI”ミラノ校、ファッションデザインマスターコースにてディプロマを取得。帰国後、自然からインスピレーションを受け、ファイナルデザインをテーマにした靴の作品を最先端技術や伝統技術などを駆使して製作し、世界に向けて発表している。現在は、バイオテクノロジーなど科学技術を取り入れたアート作品なども積極的に取り組んでいる。2016年、京都府文化賞奨励賞受賞。作品は、イギリスの国立博物館、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、NYのFashion Institute of Technology 美術館に永久保存されている。

周防 正行(Masayuki Suo)

1956年、東京都生まれ。
立教大学文学部仏文科在学中に映画評論家の蓮實重彦の講義を受けたのをきっかけに映画監督を志し、自主映画を製作し始める。
大学4年生の秋から高橋伴明監督の助監督となり、その後、井筒和幸監督、若松孝二監督の助監督を務め、『スキャンティドール 脱ぎたての香り』で84年に脚本デビュー。
同年、小津安二郎監督にオマージュを捧げた『変態家族 兄貴の嫁さん』で監督デビュー。異彩を放つこの作品で注目の人となる。
86年、蛭子能収原作のTVドラマ『サラリーマン教室 係長は楽しいな』、87年、映画『マルサの女』のメイキング・ビデオ作品『マルサの女をマルサする』を監督。
89年、当時大映に在籍していた桝井省志がプロデューサーを務め『ファンシイダンス』を監督。
92年、『シコふんじゃった。』で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞。93年7月、「アルタミラピクチャーズ」の設立に参加。96年、社交ダンスブームを巻き起こした『Shall we ダンス?』で第20回日本アカデミー賞13部門独占受賞という快挙を果たし、05年にはハリウッドでリメイク版も公開された。07年、『それでもボクはやってない』が公開され、キネマ旬報・日本映画ベストテン第1位ほか各映画賞を受賞した。11年、『ダンシング・チャップリン』が公開。単館上映にも関わらず、ロングランヒットとなり話題を呼んだ。12年、『Shall we ダンス?』以来16年ぶりのコンビとなる、草刈民代と役所広司を迎え、『終の信託』を監督。毎日映画コンクール・日本映画大賞ほか各映画賞を受賞。14年9月13日、舞妓になりたい少女を主役にした映画『舞妓はレディ』公開。15年、自身が委員として参加した法制審議会特別部会での議論をまとめた『それでもボクは会議で闘う』(岩波書店)を上梓。
19年12月 日本の映画文化に大きな影響を与えた活動弁士の活躍を描く『カツベン』公開。